第一話 『万引きG犬』

17/82
前へ
/85ページ
次へ
案の定、「もうダメだからね」と、オデコをペチッと叩かれて終わりました。 優しいですからね、慎一は。 なので、ある意味やりたい放題なんですが、一応そこは私も考えて行動しています。 どこまでなら許してくれるかをきちんと理解した上で、本当にやっちゃダメな事はやらない…… それが、飼い犬としての最低限のモラルというやつです。 「でも、何も言わずにここに置いた僕も悪いか」 ……おや? やけにあっさりと諦め、「そうだよなぁ」と、呟く慎一に私は眉間を寄せた。 優しいにしても、どうも様子が変ですね。 まるで、何か違う事を考えているみたいです。 「ダイフクからすれば、知らぬ間にあった訳だもんね。そっか……だとすれば悪くないかぁ」 一体、何の話をしているんですか? 宙を眺める慎一を覗き込むと、彼はおもむろに今日の出来事を話し始めた。 .
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

384人が本棚に入れています
本棚に追加