第一話 『万引きG犬』

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「あぁ、どうも猪俣さん」 「今日は……お休みですか?」 「えぇ、勤務外なんですがちょっと近くを通ったものですから」 「そうでしたか」と、猪俣は大きく頷いた。 どうやら、彼女が例の万引きGメンのようですね。 ジーンズ姿ですし、お客さんだとばかり思っていました。 確かにこれならば、お店の人だとバレませんね。 「昨日の女子高生はどうなりました?」 「それなんですが、少しお話させていただきたい事がありまして。今日は……河野さんいらっしゃいます?」 「えぇ、事務所にいると思いますので、今お呼びしますね」 そう言って、猪俣は襟元に隠してあるインカムに手を当て小声を発していた。 なるほど、そうやって連携を取っている訳ですか。 まるで警察の捜査みたいですね。 「今こちらに来るそうです。私はこのまま戻りますので、あとは直接お願いします」 .
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