第1章 南へ……。

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  「パパからもらった春好実の粉も後少しか……。」 好実は季節や産地で食感も味も変わる。 パンに適しているのは、プロローグの集落で採れる春好実。 一番乾燥している春好実は、パン作りに適しているってパパは言っていた。 確かに他の季節の好実は水分が多くて、粉にならない。 でも……。 「プロローグから離れているんだから、パンの材料になりそうな好実もあるかも?」 私はラエさんが採ってきてくれた好実を一つ一つ吟味していった。 「うん、これなら代用できそう。」 運良く代用できそうな好実があった。 私はその好実をつぶしてパンを作ってみた。 「うん、何とかいけそうだね。」 いつもと香りが違うけど、何とかパンは作れた。 「ラエさん。 この好実ってどこで採れるんですか?」 私はラエさんに聞いてみた。
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