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「変化の術だべ。」
「いや、それはわかるけど……。」
ラエさんの答えに戸惑うバウク。
一体どうなっているの?
「変化の術は見た目を変える幻術だ。
さっきバウクが軽々と大蛇を投げたように、ラエ自体が変化しているわけじゃない。
大蛇の幻影を纏っていると言った方がわかりやすいか?」
鬼教官は変化の術について語り出した。
「……つまり幻影を纏っているだけで、本質的には変わっていないのですね?」
リンさんが納得したように言った。
「そうだ。
見た目が変わっただけだ。」
鬼教官が頷く。
「じゃ、何がやっかいなの?」
私は鬼教官に聞いてみた。
すると鬼教官は
「ラエ、今度はオレに変化してくれ。」
「まだやるだべか?」
「そうだ。」
「わかっただ。
ほい。」
再び頭の上に葉っぱを乗せると気合いを入れる。
煙の中から鬼教官が斧を持って現れた。
その迫力、とても偽物だとは思えない。
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