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「それが視覚の攪乱……。」
私が納得したように呟いた。
「しかし、視覚に頼らなければ戦いにはなりませぬ。
他に方法があるというのですか?」
リンさんが鬼教官に噛みつく勢いでまくし立てる。
「ある。
視覚に頼らなければ幻影に惑わされることはない。」
鬼教官は落ち着いてパンをかじった。
「視覚に頼らない?」
私もバウクもさっぱりだ。
「よし、今日から視覚に頼らない訓練も行うからそのつもりでいろ。
ラエにも手伝ってもらう。」
「え?
オイラもだべ?」
急の指名にラエさんも驚きを隠せなかった。
こうして、不安を胸に私たちは朝食を済ませキャンプの後かたづけを始めたのだった。
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