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金曜日って事もあって、この日は始業式と簡単な二学期に向けてのお話で終わる予定。
出来るだけ穏やかに、何も考えずに半日を過ごして、土日で心を落ち着けよう。何なら土日で大空さんとのことを決着つけるぐらいの勢いで。
……行けるわけがない。
今さら、大空さんに何て言って謝ればいいのか。
「ゲロぶちまけて逃げ出してごめんなさい」
「告白はお断りするつもりだけれど、吐くほど告白されたことが嫌とかそういう訳ではなかったんです」
「分かってくださいますか?」
下さいませんな。
私なら助走をつけての真空跳び膝蹴りを叩きこむ。
まあ、大空さんは紳士だからそこまではしないとしてもだ。いや寧ろ、寧ろだ。あの人は謝ってくるかもしれないんだ。俺が驚かせたからだね、ごめんよなんて言ってさ。
そんなの絶対ダメだ。
私のなんか色々が絶対に耐えられないし、そもそも謝らせちゃいけない。
だがどう言えば良いのか……。
海咲ちゃんに相談する?
なんて言って相談する?
応援してるとか言われたんだぜ。
「私、告白断ろうと思うんだ」
「えー、何で?」
この流れが必ず来る。
出会ったばかりだし、大空さんが私の好みかどうかわからないから……とか。
まあ、そんなところが無難だろうか。
「えー、試しに付き合ってみれば?」
この流れあるかー。
あるよなぁ。
そう言うのは、大空さんにも失礼だと思うし。
そうだよな。あんなに真面目に告白してくれて、じゃあお試しでなんてのは無いよねぇ。
ていうかさ、違うよ。そもそも私は大空さんなんて眼中にないんだってば。私の心は海咲ちゃんに一直線。キングギドラじゃあるまいし、二本も三本も首を伸ばしたりはしないんだ。
だから、ちゃんと断らなくちゃ。そして、横っ面の一発ぐらい叩かせる方法は……。ないだろうなぁ。
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