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新学期の始まりと写真騒動のこと
九月と言えば新学期。
始業式の朝、胸元のリボンをつけながら、私はどうにも気持ちが盛り上がらなかった。
原因は言うまでもない。花火大会での一連のあれである。
結構マジでこの世から消滅したい、私を飲み込んでくれる暗黒物質はどこにあるの、という気持ちでいっぱいのまま、夏休みの残りを過ごしたわけである。
大空さんは結構人のできたイケメンだったらしく、私を気遣うメールをくれた。そういや連絡先交換したわ。
「俺のせいでごめん。大丈夫だった? お大事に」
これだけだ。
告白の話はスルーですか。言いだした本人が。糾弾でも追撃でもするべきではないか。そうして、もう一度私を嘔吐の海に沈めるぐらいの事をしないと、このお馬鹿は反省しないのではないか。
けど、別にされたいわけじゃない。むしろ、されたら困る。だから、これぐらいのメールで心底ホッとした。ホッとしたけど拍子抜けもした。
何なんだよって、私自身が一番何なんだって話。
こんなごちゃごちゃした気持ちのままハッピー気分になれるわけがない。
なれるとしたら、それはちょっともうおかしくなりかけていると言って過言ないだろう。
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