底辺作家

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元来、僕に「対抗心」など持ち合わせていなかった。 競うことがイヤで、自分より他人に輝いて欲しいと思う黒子思考だった。 だが、小説に限れば対抗心がある。 輝いている人に追いつきたいと思っている。 いつかきっと…… 「とか思うなら書けよっての」 思わず自嘲してしまう。 これだけの想いがあって書けない自分が恨めしい。 あーだこーだと言い訳して。 負け癖のついた自分を変えたい。 そうささやかに想いながら、虚しい自分に溜め息を吐いた。
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