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「杉原先輩からは悪い噂しか聞かないから、叶さんは餌食になるかもって心配してるんだよ?!」
………餌食?
それはどういうことでしょうか?
「ひっどいなーー!それは先輩の陰口?!」
朝に聞いた声がクラスに大きく響く。
その声は杉原先輩だった。
先輩は開いていた廊下側の窓から肘をついてこちらを笑顔で見ていた。
「ひっ!!」
「杉原先輩……そのっ」
クラスメイト達はだいぶ焦って見えました。
先輩は目上の人だから当たり前ですよね。
「今のは…_言葉のあやみたいなもんで…」
「……ただの噂ですけど!!」
クラスメイト達は必死そうに言い訳をしているように見えるのですが、先輩は「お邪魔するよ~」と気にしない様子で勝手に教室に入ってきた。
「まぁ俺の悪評は否定しない。それだけのことをやったのも確かだしね」
と言ってニコニコと笑う。
(朝の先輩と違う表情です……)
私はその違う表情の先輩を見て、何故か違和感を感じました。
それに先輩は気が付いているのでしょうか?
「……それで、杉原先輩はどうしてこの教室にいるのですか?」
私のその質問に先輩はあっさりと答えてくれた。
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