雨の日に約束。

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杉原先輩は体育館裏の小さい庇のある段差に座って長身なのに小さく丸くなっていました。  そして今制服の内ポケットから四角い物を取り出した。 「…杉原先輩、今…何してるんですか?」  先輩は一瞬ギクリッとした顔つきでこちらを見て、また困ったように笑った。 「あらら……見付かっちゃった」 「…………」  煙草なんて詳しくは知らないけれど、それが煙草ということだけは分かりました。 「次に見付かったら停学なんだけど、でも笹倉がいるなら停学でもいいかなって?」  杉原先輩はまだあの笑顔のまま答えてくる。 「こっち来なよ、濡れちゃうよ?」  先輩は隣の段差をぽんぽんと叩く。 「いえ、私は授業がありますから………戻ります……」  授業が始まってしまうから早く戻らないと……!! 「……いいの?戻ったら吸っちゃうかもよ、煙草」  ……なんて脅しでしょう。 (いい人だと思ったのに違ったようです……)  仕方なく私は隣に座った。  すると、杉原先輩はぽんぽんと優しく私の頭を叩いた。 「結構…先輩思いなんだ?意外」  先輩は笑って「もっと自己チューだと思ってた、ゴメンね」と、ぽそりと呟いた。     
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