1-1:物語の終わり

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場所は魔王城 謁見の間であった場所はひどく荒れ果て、そこに立つのは勇者一行と魔王 「勇者よ、よもやここまで強くなったとは…。」 魔王の呟きに対して勇者は頭を抱えて言う 「あんたが俺を鍛えたんだろうが…」 なお、これで2017回目の戦いである 魔王は顎に手を添えて、強面の表情を歪ませ 「え、あれ?そうだっけ?」 とその顔から信じられない動揺っぷりと、口調で話す 強いが、間抜けな魔王である 勇者パーティもこの2人を見て、呆れつつも 「どうせ今日もジード(勇者)の負けなんだろ。セラス(魔王)さんも遊んでないで、そのバカ勇者を鍛えてやってくださいよ。」 「ジード、早く魔国の宿に泊まる準備をしないと。」 「我、早急に休み欲す。」 暇を持て余す勇者パーティは格闘家、僧侶、忍者の順に話す。 そう、ただ単に人間の国と魔国の一部の仲が悪いだけで勇者一行と魔王の仲が悪いわけではない。 しかし、運命は残酷で事故は起きる。 勇者が仲間たちにキレて聖剣を適当に投げる 「お前ら、少しは手伝えよ!勇者パーティだろうがっ!」 投げた剣は謁見の玉座に当たり、空中へ 「貴様たちもコイツのために苦労しておるなぁ。コイツはまだ成長途中だし、今後の国の情勢に巻き込まれたら生き残れるか分からんぞ。せめて、我がコイツの血縁関係であれば……。」 戦闘態勢を解き、勇者パーティに歩み寄る魔王。そんな勇者パーティに話すのに夢中になっていた魔王の首筋に向かって グサッと跳ね返ってきた聖剣が刺さる 「ま、魔王ぉぉ!!」 「ちょっ!嘘っ!!」 勇者と僧侶が叫び、格闘家と忍者は驚いて声が出ない 「グ、グオオオ……。」 崩れ落ちる魔王の異変に気付き、彼の忠臣がこのフロアにやってくる 「魔王さま!!」 近衛騎士と大臣、そして彼の息子が寄り添う 「き、貴様ら!今までの恩を忘れてこのようなことを!」 近衛騎士は涙ながらに叫び、押し黙る彼らを指さす 「ゆ、許さんぞ!父上の仇っ……。」 彼の息子、ジャッジも剣を構えて勇者に向ける それまでほのぼのとしていた魔王城、魔王の間は殺伐とした空気に陥った
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