ある日の路上

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土曜の深夜になつかしい高校の友人から電話があった。 私は寝てた為、気づかなかったが日曜日の昼頃折り返してみた。 5回位電話のコールしたあと、ダルそうな声で電話にでる。 「うぁー、もしもし。どうした?急に。」 「え?あんたじゃないの?電話してきたでしょ?昨日」 相手の意外な反応にびっくりする。 「あーしたわ、ベロンベロンだったからなぁ。お前電話出なくて正解だったわ。」 深夜に急に電話したことを悪びれることなく笑って、すます対応に少し頭にきたがまあコイツだからなと諦めた。 「へぇ、楽しそうね。 誰とのんでたのよ?」 「あー真と飲んでた。」 元彼の名前にざわつく。 「あら、彼は元気だった?」 もう6年も前、彼とは一度も会ってない。 ケンカ別れでもないし特にイヤな気持ちにはならない。 でも、ドキリとした心を見透かされないように冷静を装う。 真の話を自らふったのも大人の余裕から。 「おーそうそう。元気だったよ。あいつまだ音楽しがみついててさ、音楽学校で講師として働きながら自分の曲作ったり、たまにあんまり売れてない歌手に作りたくない曲作ったりしてるらしいよ」 まだ音楽やってるんだと、素直に驚いた。 そして、頑張ってることがとても嬉しかった。 「あいつ毎週土曜日は19時から3時間位川崎駅近くで路上ライブやってるらしいから見に行ってみれば、近いんだろ?」 12時を少し過ぎた時間電車に乗れば30分もかからない近さ、確かに会おうとおもったら軽いお出かけで行ける 「あいつ、すごく近くにいたんだ。もしかしたらすれちがったりしたのかな?」 「あるかもな、・・・・またさ、俺が東京に出張あったら飲もうよ3人でさ」 「そうだね。今度は誘ってよ」 いつから友達どうしで社交辞令を使うようになったのだろう。 今度飲みましょうね。まるで、電話を切る合図に感じるのは少しひねくれすぎだろうか? 時計を再度見る。 「川崎かぁ」 ちょっと遊びに行くかな。 別に聞きに行くわけではない。 たまたま、ショッピングと美味しいものが食べたくなったんだ。
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