ある日の路上

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「あのお兄さんの歌よかったね」 「今までの歌はこうカッコイイって感じの暗い曲多かったから、純粋なLOVEソング珍しいね」 「おっ加奈子よく聞いてんなー、惚れてんじゃないの?」 冷やかされて慌てて否定するが、友達があのお兄さんの歌をよかったと言ってくれたのがすごく嬉しかった。 「私ちょっと応援してあげよ」 「本当!!ちょっと協力してよ」 「よっしゃ、LINEのID聞いてきてあげる。恋のキューピッドや!」 友達の京子が駅前に戻ろうとする。 「違う、そういうことじゃなくて!」 必死に友達の手をつなぎとめる。 「ジョークよ、ジョーク。で何するの?路上のCD 今度買う?」 「うーん、今はsnsね時代よ。若者の力をあのギリギリお兄さんに教えてあげようよ」 多数のsns 媒体を駆使してびっくりさせてあげる。 と胸に熱い闘志を握るが、もし有名になって私だけのお気に入りじゃなくなる寂しさに困った。 まあ、良い曲を聴かせて貰った御礼をしなきゃ。
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