03 一日目→二日目 / 麻生聖side

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 抱かれることになんの躊躇もなかった。『男なのに』も『親友なのに』も何の枷にもならなかった。  音をごまかすためにつけたステレオが、古い映画で使われたジャズを流す。両親の部屋との間には居間と廊下があるから、余程のことがない限り気づかれないだろう。  それでもベッドにふたりで倒れ込んだら軋む音が気になり、秀野のために用意されていた布団を適当に床に広げ、その上でもう一度キスから初めて抱き合った。互いに自分でシャツを脱いだ後、きつく抱きしめられて理性はとっくに粉々だった。 「聖…、抱いていいの?」 「俺のこと…抱きたい…?」 「うん。も、たまんない。キスだけじゃ足りない。もっとくっつきたい」  返事の代わりに秀野の首元に手を回してぎゅっと抱きついた。秀野の手は背中から脇腹と素肌の上を遠慮なく辿る。触れられるところからどろりと溶けていくような快感が体中に広がっていく。秀野が男は初めてだと言うのが信じられないほど手馴れていた。  下着ごとボトムスをずり下ろされ、欲望に疼く屹立に指を絡め握り込まれる。緩急をつけて擦り立てられ、その間にぐりぐりと先を弄られると泣くような声をあげそうになり、逞しい肩に唇をつけて抑えた。 「っ…あっ…」 「聖の可愛い声聞きたいけど…ここじゃだめだな。俺のも触って…やじゃなければ…」  太ももに押し付けられた男の劣情に興奮するなんて、考えたこともなかった。自分が感じるところを慣れないながら丁寧に愛撫する。  自分の手の動きに合わせて、秀野の声に徐々に熱がこもっていくのが嬉しい。でもこちらもいっぱいいっぱいだった。キスをねだるように唇を寄せるとすぐに応えてくれる。麻生が零したものでどろどろになった指が後孔を探った。周囲をほぐすように揉まれ、不意にとぷっと指が埋められる。 「…っあ!…んっ…… 」  半端ない異物感に声が漏れる。なだめるように前を撫られながら、ぐいと指を動かされると身体の隅々まで電流が走ったようにびくりと跳ねる。 「やっ……やだっ……!ああっ…」  思わず悲鳴のような高い声が漏れ、両手で口を押さえて塞ぐ。その手から生々しい男の性の匂いがして、萎えるどころか興奮した。
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