2.退学免除を訴える生徒たち

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2.退学免除を訴える生徒たち

ー 佐々山電鉄本社・運輸部 ー  3階建ての鉄筋コンクリートの本社。  玄関は中央。その玄関の先には階段があり。階段を手前左手に運輸部がある。  此処には運輸部長と課長、運転指令所兼務の課長補佐3名と美佳がいる。 美佳は、運転士だが運転士不足の時に定期ダイヤに乗務するか団体や臨時列車専門。  普段は、本社で事務仕事をしている。  午前9時過ぎに来客があった。  県立沼川女子高校の校長と教頭が佐々電本社に謝罪に来た。  運輸部長と木暮課長が対応した。  美佳は、自分のデスクで資料作成。  運輸部には、オープンな応接セットしかない。 耳を澄ませば校長や教頭の声は聞こえてしまう。  佐々山電鉄としては、当該生徒への処罰は望まないと言う見解。  警察も、佐々電が被害届を出さないのならと事件化を見送っている。  でも、学校側は校則で学校内および通学時の携帯電話・音楽プレーヤーの持ち込み厳禁で、あろうことか通学中に使用して列車を止めただけでなく、嘘をついて乗客や警察、消防、佐々電を混乱させた罪は許してはいけないと退学処分にするという。    学校側の処分なので佐々山電鉄も警察も関係ないと強気だ。  地元新聞で学校名が出てしまい学校側も何か処罰をしないとPTAや保護者へのメンツが立たないのは理解できるけど、少し可愛そうな気がする。 校長と教頭が帰ったあとも、美佳はモヤモヤしていた。  夕方まで、美佳は本社で事務処理をした。  運輸部の電話が鳴る。  課長が電話を受けて、受け答えをしてから切る。 「佐藤さん。旅行会社からだけど。来月の第1土曜と日曜に300型の団体予約。臨時列車の乗務出来る?」 「ほいほい!OK」  美佳は、手帳も確認しないで安請け合いをする。 「優くんとはデートとかしないの?土曜日と日曜日だよ?」 「今日。優に逢うから」 「あぁ、沿線協議会?今日の18時からか」  沿線協議会とは、群馬県交通政策課と佐々山電鉄の沿線1市2町(沼川市・渋沢町・佐々山町)で構成する佐々山電鉄活性化と沿線まちつくりの協議会。  
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