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べたべたに張り付いた自分の寝間着に、不快さを感じながら目を覚ました。喉の辺りが痛い、そこに何本か針が入ったかのような、そしてそれが喉を刺しているような痛みがする。ひょっとしてと思い、何かしら声に出そうとすると、乾いた痛みが喉の中を走る、自然と喘鳴がして、思ったように、声もうまくは出なかった。 身体に掛けてある布団もいつもより重く感じる。緩慢な動きでとりあえず立ち上がろうとするが、筋肉が張るような痛みまでしていた。億劫ながらも身体を横にずらしながら這い出てきた。やけに体が重かった。 昨夜はここ最近では特に冷え込んだが、決して薄着をしていたわけでもない。むしろ厚着をして、少し厚手の布団まで出して備えたほどだったというのに、風邪というのはどうにも理不尽だ。どれだけ対策をしていても、唐突に、ただ気づけば患っているということが多い。生活態度の乱れだけではない、まさに万病の元と言われる程であり、ある意味では防ぎようもない病だということでもあるのだろう。     
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