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我が家はキッチンとリビングが併設されいる。
午前11時少し前。夫が起きてきたようだ。トイレに行って、顔を洗って。それから着替えて。そしてリビングへとやってくる。
「おはよう」
「おはよう」
機械的に挨拶を交わす。夫はまず冷蔵庫を開け、作り置きしてある麦茶をコップにつぐ。それを持ってソファに座る。そして飲みながらテーブルの上に用意してある新聞を読むのだ。
いつものパターンだ。
だけど今日は、新聞の上にあるものを置いてある。
……どんな反応をするだろうか……
私は夫の朝食を用意しながら、キッチンからコッソリと反応を伺う。
…ドキ、ドキ、ドキ…
鼓動が高鳴る。まるで恋しているかのように。夫が新聞に手を伸ばした! 気付いたようだ。黙ってそれを読む。
……マズイ!彼がこちらを見る!……
その瞬間に、下に屈み込んだ。少ししてさり気無く立って見ると、夫はリビングから消えていた。
……裏目に出たか。そうだよね。いきなり何の前触れもなくそんな事されたら、気味悪いよね……
まるで失恋が決定的になった時みたいにショックだった。40女が、何してるんだか……。
再び戻って来た夫は、手に何か長い細いものを持っていた。そしてソ ファには座らず正座をし、ソレに何かを書き始めた。
良かった。別に引いた訳じゃなさそうだ。何を書いているかは知らないけれど。
「お待たせ」
私は何喰わぬ顔でトレイにご飯と味噌汁、焼きさんまと大根おろし、南瓜の煮物を載せて、テーブルに載せる。そして緑茶を二人分淹れに戻った。
……夫はどんな反応を示すだろう?再び鼓動が高鳴った……
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