女神様の手違いでデコトラと化した俺

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「なあ、いいか」 「おや? どういたしました? お声を聞くのは初めてかもしれませんね」 「俺の方もさ。ちょっと、言いたいことがあるんだけど」 「ああ、申し訳ありません。私ばかりが話してしまって」  女神様は畏まって、恭しく頭を下げた。  けれど、俺にはそんなのどうだっていい。渾身の一発をかましてやることしか考えちゃいなかった。 「もうさ! そんな説教まがいの話とか、若者の未来がどーたらとか、うんざりなんだよッ!!」 「は、はい?」  急に俺が大声を出したもんだから、女神様も呆気にとられていた。けれど、話はここからだ。 「あれだろ、女神様はこれから俺を転生させてくれるんだろ!? そうだよな? っていうかそうじゃなきゃ許さねえッ!!」 「え。いや、まあ確かにそのつもりではありますが……」 「だったら、こういう前置きってのはササッと終わらせて、そんで本編(チーレム)に移行するのが鉄則なんだよ。女神様だってさ、ゲームで長々とチュートリアルばっかやりたくないっしょ? さっさと魔王退治に行きたいっしょ?」  言ってやった! 言ってやったぞ!  俺が早く知りたいのは、これからの栄光ある来世の話なんだ。何が悲しくって、あんなクソッタレた現世の話を蒸し返そうとするんだよ! だいたいもう俺は死んじまったんだから、そんな話したって意味ねえだろうが!  思わず生意気な口を叩いてしまった。けれど心配はしていない。何せ向こうは女神様なんだ。慈愛と抱擁の心で優しく受け止めてくれるだろう。
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