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「そういや、さっき『力が制限されてる』って言ったよな? まさか、俺を転生させることさえできないとか言わないだろうな!?」
「それについてはご安心を。私は本来、転生を司る神です。その能力については、たとえ上司であろうとも縛ることはできません」
「ならいいけどさ……」
「それに、今回の件は私が原因です。ですので、あの与太話を真に受けて亡くなられた方は、できる限り希望に沿うような形で、転生先を決めさせていただいております」
「ほ、本当か!?」
「ええ。それが私に出来る、せめてもの贖罪ですから」
なんだよ、じゃあ結局は都市伝説の通りってことじゃねえか!
「ユトリン様。さっそくお伺いしますが、転生したら何になりたいんですか?」
「そうだな、勇者とか?」
「別に人間じゃなくたっていいんですよ。なんだったら無機物でもOKです。実際、人外への転生を望んだ方も、それなりにおられましたし」
人間以外の何かになって、第二の人生を送るとしたら……。
「じゃあ『10(ひとまる)式戦車』ってのは?」
「戦車? まあ出来なくはないですけど。お好きなんですか?」
「ああ」
俺は引きこもりだが、ミリタリー系には昔から目が無かった。その中でも国産最強と謳われるその戦車に、俺は一目で惚れ込んだんだ。
日本のお家芸である小型軽量化を成し遂げており、それでいて他の追随を許さない火力をも兼ね備える。演習風景の動画は何度も見た。姿は小さくても、でっかい戦果を挙げることのできるすごい奴なんだ。
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