接近

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  職場に復帰してから一週間が過ぎた、昼休み。  黒崎は病院の屋上の手すりに腕を乗せ、空を見ていた。  仕事のほうは、ほとんど以前と同じようにこなす日々が戻って来ていた。  空は雲一つなく、どこまでも高く、青い。  こんな一見、穏やかに見える日でも、病院は相も変わらず忙しい。  昼休みと言っても、二時半を過ぎてからやっととれた休み時間だ。  黒崎は小さく溜息をつくと、白衣の袖からのぞく、少し細くなった自分の手首に視線を落とした。  怪我のせいでずいぶん体重が落ちた。  外科医は体力がなければ務まらない。  だから本来ならしっかりと食べて、せめて怪我をする前の体重にまで戻さなければいけないのだが、黒崎の食は今日も進まなかった。  一緒に食事をとっていた人たちに心配されるほどに。
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