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沢井が屋上の扉を開けると、フェンスに体を預けて空を見上げている黒崎の後ろ姿が見えた。
白衣に身を包んだ彼の体は、本当にずいぶんやせた。
『黒崎のやつ、この頃、食欲がないみたいなんです。さっきもオレたち食堂で一緒だったんですけど、あいつほとんど食べてなかったし。またどっか具合が悪いんじゃないかって、オレも小野も心配で……』
さっき、社員食堂で偶然、顔を合わせた山本が心配そうにそんなことを言ってきた。
いつも黒崎のことを気にかけ、見ている沢井には、山本に言われるまでもなく、彼の食欲が振るわず、ずいぶんやせたことに気づいていた。
入院生活の影響かと最初は思っていたのだが、さすがにもうそれはないだろう。
とにかく黒崎が屋上へ上がっていったという情報を得て、沢井も屋上へ来てみたのだ。
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