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「……いや。別に」
沢井は信じられない思いで、感動していた。
ほんとかよ? この容姿端麗ぶりで、まだ童貞? それどころかキスの経験すらなし?
奇跡だよ、それって。
「あの、オレもう仕事に戻ります。……サンドイッチとコーヒーごちそうさまでした」
沢井のセクハラまがいの質問攻めに辟易したのか、黒崎は深くお辞儀をすると、屋上の扉へ向かって歩きだした。
彼の後ろ姿を見送りながら、沢井はうれしさに顔が緩んでくるのを抑えることができなかった。
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