めでたい電車で

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 子どもたちは、興味津々で、魚の形をしたつり革に飛びつこうとしたり、シートの感触を確かめたりしている。定刻にピンク色のめでたい電車が発車してまもなく、紀ノ川の鉄橋をガタンゴトンと響かせて走るのは今も昔も変わっていない。電車の中の子どもたちは、騒がないで靴をきちんと脱いで、反対向きに座り景色を眺めている。学級の子どもたちは、5年生全員で25人。1年生からずっと同じクラス。気が優しくて力持ちの前田つよし君、おてんばで面倒見がいい三木和代さん、みんなをまとめてくれる宮井恵さん。どの子もかわいい子たちばかりである。走り出して20分ほど経つと左側に砂浜が見えてくる。子どもたちからも声が上がる。夏の名残が、水のきれいな遠浅の磯ノ浦海水浴場に漂っている。ちらほら、サーファーも見え隠れしている。ここからは、山を抜けてあっという間に加太駅に到着。子どもたちに尋ねると20分ほど真っ直ぐ歩くと左手に流し雛で有名な淡島神社、右手に加太港が見えてくるらしい。  連絡船が出る時刻まで余裕があるのでゆっくり加太の町を散策しながらハイキング気分。午前11時発の「らぴゅた」に他のお客さんの後から乗船。20分間、ほどよく波に揺られ、とってもいい気分で友ケ島に上陸。
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