友ケ島

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 子どもたちは、初めての友ケ島を味わうどころか体がゆらゆら揺れている。  少し休憩した後、集合して諸注意。全員、時計を合わせて1時間後にはこの場所に戻っているよう指導した。それから、4つのグループに分かれて友ケ島のハイキングコースを探検。先生3人もそれぞれ分かれて子どもたちについて行くことに。携帯電話が繋がりにくいのでトランシーバーも持って来ている。ラピュタのように神秘的な砲台跡、燃えるような紅葉とブルーの海。どんぐりもたくさん拾った。森の中の空気は、街中とはずいぶん違う。子どもたちも島の中の探検を楽しんでいるようでリスを見つけた子どももいた。1時間の探検が終わり、おなかが空ききった子どもたちと芝生の広場で楽しみのお弁当タイム。みんな、家で作ってもらったお弁当をおしゃべりしながら美味しそうに食べている。私も子どもたちといっしょにお弁当を食べた後、横になると疲れが出たのか体がボーとなり、目が勝手に閉じていく。 「神前先生、神前先生、助けて。さっきまで一緒にいた前田君がどこかに行ってしまって帰ってきません。」  泣き出しそうな声で宮井さんが私の肩を揺すって訴える。すぐに子どもたちに指示を出し、宮
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