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「もし友だちが不在だったら、この番号に掛けて」
運ちゃんが渡してくれた白いカードには、0120で始まる電話番号と『丸田交通グループ』という会社名が入っていた。
「ん。ありがと、丸山さん」
顔写真付き乗務員カードに載った名前を出して礼を言うと、運ちゃんこと丸山さんは片手を挙げて、来た道を戻って行った。
今回の旅路で、傷をおして歩くのには慣れた。肋骨の痛みはほとんどない。
あとは腹か……。
防砂林が続く道をゆっくり歩き――大した距離じゃなかったけどな――ようやく目の前に現れた木造二階の一戸建て。
実にシンプルだがいい家だ。
駐車スペースもえらく広いし、敷地内にはRC造の小屋もある。
彼奴、今までの稼ぎを惜しみなく投じたな……。
そんな立派な家と周囲をしげしげと眺めていたら、何となく遠くから聞こえていた排気音がいつしか背後で止まっている。
振り返ってみると、バイクに乗った女の子が不思議そうに俺を見つめていた。
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