18人が本棚に入れています
本棚に追加
あれ、この雰囲気。
「ウチに何かご用?」ってやつだぞ。
やつの家じゃないのか?
入手した情報と現状に戸惑いながら、その可愛い女の子としばし見つめ合っていたら、
「あのう……どうされました?」
う、不審人物と思われてる。
彼女のおずおずとした態度に「ああ」と応じて、
「長塚って友だちを訪ねて来たんだけど……もしかしてここ、君の家?」
「いえ、長塚さんのお宅です」
やつの名前を出したら、すぐに友だちだと信じてくれたのか、彼女の表情が和らいだ。
ホント、素直でいい子なんだろうな。
……これだけで警戒を解くなんて、えらく無用心だけど。
「連絡無しで来たんだけどー、彼奴、今日は居るかな」
「居ると思いますよ。ちょっと待ってくださいね」
ヘルメットを脱いでバイクから降りた女の子は、家に入らずに裏手に回り、「林さーん」と叫んだ。
「長塚さんにお客さんがお見えなんですけど、彼、居ますー?」
……此処には、他にも知らないやつが居るらしい。
最初のコメントを投稿しよう!