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林とやつの関係にもやもやしていたら、さっきの女の子が戻って来て、
「え、と……お二人は、お友だちなんですよね?」
「うん」
不思議そうに俺と圭吾を見ている傍らの女の子に頷いてみせ、自己紹介。
「俺、佐伯隼人。――にしても可愛いね。君、彼奴の彼女?」
問い掛けながら顔を間近に寄せて見つめると、口を開きかけた女の子は真っ赤になって絶句。
鎌をかけてみただけだけど、ホントに可愛いじゃん。
「……何しに来た、佐伯」
やけに物騒な空気を漂わせ、圭吾が口を開いた。
あれ、ちょっと様子が違うけど……。
「わざわざ俺の女に手を出しに帰国できるくらい、お前は暇なのか?」
――くっそ、マジでお前の女かよ。
それでも忌々しい気分は押し殺して笑ってみせ、
「俺が何をしに来たのか、此処で話していいのかな?」
「……」
黙るやつはちらと俺を見た。言ったらどうなるか、って脅しが見て取れる。
じゃあ今は、ホントの目的は言わないでおく。
心当たりもありそうだしな。
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