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「仕事は変わらず多忙の極みさ。ちょっと怪我したんで、療養ついでに遊びに来たってワケ」
「怪我を?」
やつは無表情だけど、心配そうな顔をしているのは圭吾の彼女。
ちょっと、可愛い意地悪でもしちゃおうかな。
「食前みたいだけど、見る?」
「う、そんなに……?」
「大丈夫。全然むごくないから」
バックパックを砂に下ろし、タンクトップの裾をたくし上げながら、
「脇腹怪我しちゃってさ。パチンパチンと五パンチくらいかな」
「――……」
傷を保護するためのパッドをめくって見せると、効果は――申し訳ないくらい――てきめんだった。
みるみるうちに女の子の顔が強張っていく。
「ごめんごめん、駄目だったか」
もう気分悪そうな女の子の肩を抱いて、タープ脇にあったリクライニングチェアへ座らせた。
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