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「唯、いっそ浜に埋めてしまえ」
「おい」
ぼそりとひどいことを言ったのは、ずっとだんまりを決めていたやつだ。もう、何てお戯れを。
「幾ら何でも、ちょっと」
困った顔で笑う唯ちゃんに流し目を送るやつは、
「そりゃ多分FREDの“FORCE10”だ。此処で無くしても、こいつなら同じやつを買える稼ぎはある。もし気に入ったのならヘッドだけ取って、後日君のサイズに合ったベルトを買ってつけ替えればいい」
「ふ……っ……?」
おう、流石。
しっかりチェックしてるじゃん。
一応知ってたのかな。驚いた顔してる唯ちゃん。林なんか何か勘ぐる顔で俺を見てる。
一体何者で、どんな仕事をしてるんだ――ってとこかな。
いいタイミングだ。
「丁ちゃんってさ」林に圭吾を顎でしゃくってみせ、
「彼奴とどんな関係?」
すると林は言いにくそうに、
「……同居……下宿人です」
「ふうん」
ホントに、それだけか?
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