he said,「smack you one」

12/23
前へ
/35ページ
次へ
「唯、いっそ浜に埋めてしまえ」 「おい」 ぼそりとひどいことを言ったのは、ずっとだんまりを決めていたやつだ。もう、何てお戯れを。 「幾ら何でも、ちょっと」 困った顔で笑う唯ちゃんに流し目を送るやつは、 「そりゃ多分FREDの“FORCE10”だ。此処で無くしても、こいつなら同じやつを買える稼ぎはある。もし気に入ったのならヘッドだけ取って、後日君のサイズに合ったベルトを買ってつけ替えればいい」 「ふ……っ……?」 おう、流石。 しっかりチェックしてるじゃん。 一応知ってたのかな。驚いた顔してる唯ちゃん。林なんか何か勘ぐる顔で俺を見てる。 一体何者で、どんな仕事をしてるんだ――ってとこかな。 いいタイミングだ。 「丁ちゃんってさ」林に圭吾を顎でしゃくってみせ、 「彼奴とどんな関係?」 すると林は言いにくそうに、 「……同居……下宿人です」 「ふうん」 ホントに、それだけか?
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加