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「書類手続き終わったから、帰るよ?」
「う……」
リカルドもだいぶお疲れらしいが、正直俺も疲れている。むしろ体力が戻らない今は、出歩くのもちょっと面倒なくらいだ。
それでも未練がましく見つめてくるやつに「じゃあね」と手を振って、管理局を出た。
今回の休暇は三ヶ月。
まとまった休みを数年間取ったことがなかったから、長い時間をどう過ごそうかと頭を悩ませる。
そして現在の俺は怪我人で、わざわざ観光に出たい気分じゃなかった。
そうなると、時間の使い道は大体決まってくる。
港の喧騒から少し離れた、開業1846年の老舗ホテルに滞在して四日目の夜。
地場の海産物を使ったコース料理と94年のシャブリに満足した俺がスマートフォンでニュースをチェックしていると、部屋のドアがノックされた。
読んでいた記事を閉じて確認すると、約束の時間ちょうどだ。
珍しく時間に正確――一昨日の子かな。
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