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「まだ動けないよね。……今日は、どうしよう?」
「君に任せるよ」
まだ頼んでもないのに、ソファーに座る俺に身を寄せ、ゆっくりと俺を押し倒すヴィットリオ。
若さゆえの勢いはいい。けど色好みだと少し話が違ってくる。
好色な目をして俺を見つめる彼に、無駄を承知で念押しした。
「傷が痛むから、激しいのはナシでね」
派遣元にどんな話を通したのか、ヴィットリオは一夜のパートナーを依頼するたびに嬉々として現れた。
「また来たのかって顔した」
「あ……ええと」
問い詰められ、笑ってごまかすと、彼は微笑んで言う。
「僕、あなたを好きになったみたいなんだ。だから」
できるだけ、傍にいさせて。
そう言われると、拒否する理由がない俺は彼となかなか濃い時間を過ごすしかない。
ただ、単に彼が仕事を忘れて欲しがるだけで、毎回歯を立てられるワケじゃないから、そっちのほうは特段不満もなかった。
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