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体は正直だから、寝たふりも結局すぐにバレた。
ヴィットリオのやきもちやら何やらが込められていたのか、いつもよりも熱のこもったサービスを受けて、終わる頃にはくたくた。
「今度は、してもいい?」
「ダメ」
「ちぇ。でもいつかは僕が初めてになりたいな」
俺とは対照的に、まだまだ元気なヴィットリオは、にこにことしながら服を着始めた。
「次は明後日ね、サエキさん」
「……明後日?」
思わず聞き返す。
きっと彼は束縛体質なのだろう、とうとう訪問日まで決めだしたぞと内心悲鳴を上げる――すると彼は、
「明日はマンマの誕生日なんだ。だから仕事はお休み」
「なるほどね」
いい心がけ。
「君のマンマにおめでとうって伝えてちょ」
「ありがとう、サエキさん」
チャオ、とウィンクを残して彼が帰っていったあと、急に疲れが眠気を連れてやってきた。
あー、気持ちいいやら痛いやら。
怪我してなけりゃあと二回は平気だけど、今は堪える。
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