あ、はい、実は、

20/27
100人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
薄々分かっていたけどいざ両方聞かれると、どう返答していいか分からない。 「あ、えっと、」 別に疚しいことはないからいいんだけど、飲み会に関しても「智美に聞いておくね。」で済むけど、問題はもう一つの方。 絶対に根掘り葉掘り聞いてきそう。 「智美には聞いておくね、」 なんとか話を続けて終わらせようとしたけど、 「うん、お願いね。でも彼氏さんから許可いる?」 合ってるけど、確定された! すごい勢いで聞いてくるけどそんなに気になるものなの!? 流石に近くになったから中断するかと思ってたけど……この雰囲気はこのまま行きそう。 あー、こんなんだったら「ちょっと珈琲入れに行ってくる。」とか言って逃げれば良かった。 今更気が付くなんて……もう少し早く逃げ言葉よりもこっちに頭が働いて欲しかった。 どうしよー、助けて正治さん!なんてアニメのヒロインみたいな事を思ってしまった。 「あはは、」と愛想笑いをしていると、 「佐藤、」 「!」 後ろから声が聞こえて急にホッとした、念じるって案外大切なんだと再確認した。 「ま、近藤さん!」 「まだ戻ってなかったのか。」 何も持っていない左手をとられて少し安心した。 でもこんな堂々として大丈夫ですか!?
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!