終焉

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親父の言葉はそこで切れていて、親父ももう映ることはなかった。 なんだよ、これ。 「おーい、健介」 玄関先から聞こえたような気がした親父の声。 そんな訳はないのだが、親父が呼んでいるような気がして俺はフラフラと立ち上がり玄関に向かう。 途中仏間を目にやると、何故だか母親の遺影がホッとしたような表情をした気がした。 ああ、なんだかあったかいな。 突如、白い閃光が全身を包んだ。 親父、お母さん…。 心地よい閃光に身を包まれながら、玄関先に現れた親父とお母さんの元へ行く。 「DVDあれだけ見るなって言ったのに」 と親父が言えば 「健介、こんなに大きくなったのね。でも残念、まだこの先があったと思うと」 と母が言う。 そんな先のことよりも、母さんと親父に会えたことの方が嬉しかった。 「見てみろ」 親父が指差した先を見ると何もないまっすぐな地平線、そして瓦礫の山が広がっていた。 「ここはどこなんだ?」 俺が質問すると親父は答える。 「まだ、日本だな」 母さんも答える。 「でも、国がどうなんてもう私達には関係ないのよ」 そうだな、と親父が同意し、3人揃って空を見上げると弧を描く飛翔体のようなものが見えた。     
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