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控え室に入ってきたのは、雪弥だった。
「失礼します、青先輩。入学式の事ですが...」
と手元の資料に目を向けながら青の方へと足を運ぶ。そして、2人で話し始めるのだった。
数分たった頃
「はい、そのように進めればいいんですね、分かりました。」
「ああ、よろしく頼むよ。」
そんなやり取りを最後に2人の会話は終わる。雪弥はふぅとため息をつき、顔を資料から上げる。
すると、ある事に気づく。
「あっ...すいません。もしかして、話を遮ってしまいましたか...?」
仕事のことで頭が一杯になっていた為、この部屋には青と自分以外いないものだと思っていたのが、実はもう2人いることに気づき、この3人の邪魔をしてしまったのではと思いたったのである。そんな雪弥に答えたのは、
「いや、今しがた終わったところだ。」
グレンだった。雪弥は感じなかったが、青とレオンにはさっきの話しは終わりだと言い聞かせているようにも聞こえた。
「えっあ。そうですか、えっと君は誰かな?多分、1年生だよね...?ネクタイピンが花だから。あっ俺は、副会長の白銀 雪弥だよ。よろしくね。」
あまりにも堂々と居るグレンに疑問に思いながら、名前を尋ねる。ちなみに雪弥が言っているネクタイピンとは、セントラル学園には学年をネクタイピンで表しており1年は花、2年は蝶、3年は鳥である。
すると、グレンは、最後にふんわりと笑みを浮かべる雪弥の顔をじっと見つめてくる。少し驚きの色が滲み出る顔を見て
「えっ...えっと...俺の顔になんか付いてる?」
あまりにも見てくるのでそう尋ねる。
「あっいや、別に...俺は、グレン アディオンだ。1年であっている。よろしく頼む。」
「うん。アディオン君、話しは終わったなら、そろそろ戻った方がいいよ。もう式が始まってしまうから。」
「そうなのか、ではそろそろ失礼するとしよう。」
と言ってグレンが座っていたソファから腰を上げようとした時。
「おまち...待ってくれないか、グレン君。」
そのグレンの動きを止めたのは、青だった。
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