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「―――新入生の皆さんの学園生活がより良いものになるように願っています。セントラル学園理事長 境 護」
入学式は、着々と進んでいた。理事長の言葉は最後の方だ。残すプログラムは生徒会役員 風紀委員の紹介となっていた。
「...チッ」
グレンは、生徒会と風紀の挨拶と聞いて先程の出来事を思い出していた。青が生徒会に入ってほしいと言っていたが、
(誰が生徒会なんて目立つものに入ってやるか。俺は、目立ちたくないんだ。)
グレンは目立ちたくないと思っているが、しかしそれは無理に近いことだ。理由は3つ程ある。
1つ目、まずセントラル学園に編入してくる時点でも目立つからだ。何故なら、セントラル学園は編入試験が厳しい事で有名だ。だから、子供をセントラル学園に入れたい時は皆、初等部からいれざるを得なくなる。なので、希に高等部から入ってくる編入生は、まるで珍しいものを見るように見てくるのである。
2つ目、この学園は初等部からのものが多い男子校である。初等部~高等部は、思春期にちょうど当たる頃になるため自然と同性が恋愛対象となってしまう。美形であればアイドルのような扱いを受ける。なので、美形であるグレンは周りに騒がれるのは確定している。
3つ目、これは本人無自覚だが、グレンの存在感を放つまるで王様のようなカリスマオーラが彼を目立たせる手伝いをしてしまう。その為、皆無意識の内にグレンを意識し、従ってしまうのだ。
これらの理由により目立たない事は回避できないというのにグレンはまだ気づかないのであった。
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