記録1 雪弥と世界と学園と

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――――――――― (はぁ...めんどくせぇ。) 自分と同じくセントラル学園の真新しいブレザータイプ制服に身を包んだ人混みの中を進み体育館へと歩く。 彼の名前は、グレン アディオン。ダークシルバーの色の髪と同じ色の瞳を持つかなりの美形だ。それは、彼自身も自覚済みであちらこちらから見られる視線に鬱陶しいように顔を歪める。 あれから数十分がたった頃だろうかやっと彼は体育館へとたどり着く。そして、正門で確認した自分のクラスの列を探す。 普通、入学式というのは、新入生が登場してくるものだが、セントラル学園では、逆なのだ。在校生が新入生の前に登場する。これは、どんな先輩がいるというのを新入生に教える為らしい。なので、新入生の席は、在校生を真ん中に挟むように椅子が置かれていた。 グレンは、やっと自分のクラスを見つけ自分の席に着く。後は、入学式が始まるのを待つだけだ。 と、そう思っていた。 だが、ある者の気配で動かざるをおえなかった。こちらに向かってくる気配を阻止する為そっと体育館から抜け出す。そして、体育館の裏の方へと足を運ぶ。こちらに向かっていた気配もグレンが向かった体育館の裏へと方向をかえているようだった。暇だった為、グレンは体育館の壁に寄りかかって目を閉じる。奴が近くなってくる。 気配はどんどん強くなってゆく。 そして、目の前に人の気配がした。 目を開けると胸に手を当てまるで執事のようなお辞儀をした 「グレン様、お話しておきたいことがあります。失礼ながら、俺の後に着いてきてくれませんか?」 そこには風紀委員長のレオンがいた。
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