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「許す。案内してくれ。」
そう言った俺はレオンのあとを歩き出した。
――――――
「お久しぶりです。えっと今は、グレン アディオン様と呼んだ方がいいでしょうか?」
レオンに連れてこられた先は、舞台袖に存在している控え室だった。そこには、生徒会長の青がいた。
「...ああ、その名で構わないが。二人とも俺に対して様付けするのは、辞めてくれ。目立って仕方がない。」
グレンは、青やレオンが自分の名に様を付けて呼ぶことを実は嫌がっていたのだ。ただでさえ、この容姿で目立つのに、様付けで呼ばれたらもっと目立ってしまうと考えたのだが、
「いえ、しかし...」
「そんな、大それた事、俺には出来ません。」
2人の反応は、予想通りだった。
「こっちは、忍びで来ているようなもんだ。呼び捨てで呼んでくれないとこっちが困る。これは、俺からの命令だ。せめて、皆がいる前では呼び捨てで呼んでくれ。」
「...かしこまりました。努力するようにします。」
「...善処致します。」
しぶしぶと言った風の2人だが、命令と言えばこの2人が従うのは分かっている為、大丈夫だろう。そう思っていたらこっち向かってくる誰かの"匂い"がした。
「あと、俺の事はこの3人だけの秘密だ。決して他のやつには言うなよ。」
そう、グレンが2人に言い切ると、それを慌てて異議を言おうとした2人を遮るように控え室のドアがノックされた。
そのノックに少しばかりビクついた青とレオンだったが、すぐ冷静さを取り戻して
「どうぞ。」
と青が許可をする。
「失礼します。」
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