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猫と戯作者
「フリでよい」
呆気にとられる周に、兵庫は淡々と言葉を続けた。
「私と二世を誓った義兄弟だと、父の前で宣言してくれればそれでよい」
「フリって、お前なあ」
毒気を抜かれ、投げやりに座り直す。
兵庫は目の前に端座したまま。その目は、じっと返事を待っている。
……なんで、こんな事になるんだよ。
兵庫が来たとき、なぜ自分は居留守を使わなかったのかとしみじみ後悔しながら周は四半時前を思い出していた。
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