212人が本棚に入れています
本棚に追加
席に着くと、翔太がそろそろみたいな顔をして、こう言った。
「で?どーすんの?ゲーム。買ってないんだろ?」
「……うん、まぁ」
「大体さ、盗んだ金でゲーム買った方が恥ずかしいだろ?なんで学費くすねたなんて、嘘ついたんだよ?」
「いや、普通に学費払えない方が恥ずかしいよ。お前には、分からないかもしれないけどさ」
俺がそう言うと、翔太はちょっと申し訳無さそうな顔をした。
それに気がついていないかのように、俺は全く興味も無い新商品のメニューが貼られている壁の方へと、ちらっと目線を泳がせた。
「とりあえず、食うぞ」
俺はチーズバーガーを食いながらポテトに手を伸ばした。
「ちょ!正夫!それは俺のポテトだから!」
翔太も慌てて食いだした。
別に早食い勝負してる訳でもないのに、二人して急いでポテトを食っていた。
──ごめんな翔太、ありがとな。
環境のせいにして苛立ったり、八つ当たりしたり、嘘を重ねたり……俺は何がしたいんだか、自分でもよく分かんねーんだ。
最初のコメントを投稿しよう!