212人が本棚に入れています
本棚に追加
「地球は消滅しないけど、みんなの家は壊れたとかがいいよね?死ぬのはやだもんね?食べ物は平等に支給されるのがいいよね?」
優美がそんな事を言うから、俺はずっと笑っていた。
「でもさ、本当に明日地球なくなるのかな?予言者なんて信用できないよな」
そんな話しをしていると、優美と俺の前に水滴が落ちてきた。
雨漏りだ………。
「わ!やば!お兄ちゃん、雨降ってきたわ!」
優美は慣れた手つきで鍋と皿とコップを持ってきて、雨漏りする場所に置いていった。
俺は優美が置いた皿やらを、足でつついてみたりして必要のない微調整を入れる。
もうこんな事が何度もあるんだ。祖母はいつもパチンコで帰りは遅いし。
なんなんだよ!!
あーーー!叫びてぇぇーー!
──本当に地球消滅、お願いします。
神様、予言者様!!!
ポンポン、トトッ、ピチッ。
ポポポン、ピチッ、トトッ。
雨をうける鍋や皿達が、まるでバンドでも組んだんじゃねーか? と思うくらい、軽快なリズムを刻んでいた。
──その音を聴きながら、俺は優美と、くだらない例えばの話ばかりしていたんだ。
最初のコメントを投稿しよう!