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現実。
──そして、いつもと変わらない日常が始まる。
何かいつもと違うと言えば、地球が消滅しなかった話しで持ちきりだった。
みんなは、良かった良かった予言が外れた!と笑っていた、俺もその話しに合わせて、良かったとへらへら笑っていた。
妹と地球消滅を待ち構えていたなんて、翔太にさえ言えなかった。
まぁ、翔太はその話題さえ曖昧にしか知らず……
「え? あぁ。この間テレビで見たけど、そんなん信じる人いんのか? 」
と、興味もなさそうだったけど。
地球消滅が現実化しなかった今、俺がするべき事はただ一つ。
今日のバイトで店長にバイト代を前借り出来るか交渉する事だ。
家賃、学費、食費、ゲーム……。
いくら前借りすればいいんだ?そもそもしてくれるのかな。俺、信用ねーしな。
学校が終わりバイト先の飲食店に向かう。笹野と今日はシフトが被っている。
笹野とはバイト先が同じなんだ。笹野が来る前に、店長と話ししないとな。
前借りの話しなんて聞かれたら面倒だ。野田達に話されたら格好のネタになるに決まってるし……。
そんな事を思いながら、バイト先に向かって走った。
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