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偽り。
学校の門を出て俺は、すぐに翔太に言った。
「なぁ!チーズバーガー食いたくね?今日100円らしいぜ!食いたいよな?!奢るから行かない?」
「うーん……」
俺はとにかく翔太に、何かをしたかった。
なんでも良かったし、別にチーズバーガーが食いたいか食いたくないか、翔太の意見は正直どっちでも良かった、ただ翔太に何かしないと、落ち着かなかった。
「でもさ、正夫……それは違うんじゃねー?」
「そーかな?俺は翔太に、チーズバーガーを奢りたい気分なんだよ」
「そーか?なんか違わねーか?」
──違う、かな?俺、お前に感謝してるんだ。
「違う!違いすぎる!チーズバーガーは100円だろ?お前今日の朝、俺の100円でジュース買ったよな?だからそれは奢りじゃねーよな?」
俺は本当にその事を忘れていた。
「あ……ポテトセットで!!」
俺がそう言うと、翔太は笑いながらガッツポーズをとった。
「うぃー!行くか!」
店に着くと、なんだか目線を感じた。
その先に目をやると、妹の優美とその親友の実香が居た。
「あ、オッピー!」
実香がそう呼んだ。
「おい、そのあだ名やめろよ!」
昔から優美と実香にはいじられるんだ。妹にも、妹の親友にもいじられて、俺は一体なんなんだよ!翔太もいる事だし早く帰れよ。
そう思っていた所で「じゃーね!」と優美達は、店を出たので安心した。良かった……。
俺はとりあえず、チーズバーガーセットと単品のチーズバーガーを注文した。
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