浄土の山里

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「もうホテルに予約したんだけどな。明日の為にな。まさか、明日が何の日だか、忘れてないよな?」 怒ってみたり、熱くなってみたり、信夫のいつもの手口だ。 「忘れるわけないでしょ?」 明日、12月8日は、ビートルズ狂いの信夫にとっては、じっとしては、居られない日だった。 何故なら、ジョン・レノンが撃たれて亡くなった日だからだ。 彼と付き合うまでは、「イエスタデイ」ぐらいしか知らなかった私だが、お陰ですっかりビートルズに洗脳されてしまっていた。
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