浄土の山里

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私達は4年前から、この日になると、「追悼パーティー」と題して、派手に騒ぐことにしていた。 「何処のホテル?」 「京都駅のグランドホテル」 「ふうん。張り込んだわね。もう割り勘は嫌よ」 「了解。じゃあ、1時にロビーでな。おやすみ」 「おやすみ」と、こちらが言い終わらないうちに、電話がプツンと切れた。 相変わらず、せっかちな男だ。 今年も信夫は、私を選んだ。 そう思うと、不思議な気持ちになった。
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