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4年前の初夏の陽だまりの中で、私達は出会った。
仏教系の私立大学生だった私達は、文芸サークルで顔を合わせた瞬間に、恋におちた。
身体中が、強く感電したかのような痺れた襲った。
その衝撃は、今でもよく覚えている。
信夫も私の顔を見たまま、手に持っていた大江健三郎の文庫本を、すとんと落としてしまったほどだ。
それでも、惚れ込んだ度合いでいえば、やはり、私の方が強かったようだ。
それまで、男性というものを知らなかった私は、彼から漂うどこか危険な性的魅力に、ドギマギしていた。
その頃から現在まで、いつまでも長ったらしく、歯切れの悪い古典文学のように繋がっている二人の関係は、実に、「奇跡」としか言いようがなかった。
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