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「……どんな感じなの?」
玲奈っちの口振りは素っ気ない。
「思ってたのと違う」
思ってたのは、もっと羽毛で作られた枕みたいに柔らかいのを想像してたけど、実際の太腿は筋肉の塊だから思ってたよりも固い。けれど、血も通っているからすごく暖かい。
「嫌?」と言う玲奈っちの声が上から聞こえる。改めて意識すると、玲奈っちの声に包まれてるような感じがして、なんか変な感じだ。
「ううん、これはこれで……」
その時に、ぽん、と頭に手が置かれた。そのまま玲奈っちは私の髪をすくように、ゆっくりと撫でてくる。くすぐったいような、恥ずかしいような、なんていうか、ドキドキするっていうかーー
「……これはいかん!」
まるで磁石のように私の頭を引き付ける太腿から頭を離し、すうっと深呼吸。
「嫌だった?」
「ううん、良さ過ぎた。あれ以上されたら惚れてた」
「大袈裟なんだから」
くすっと笑う玲奈っちには、なんとなく悪女のオーラがある。もしかして、たくさんのオトコどもをモテアソんでいるのではと心配にもなるくらいだ。
そしてそんな玲奈っちに笑われるのは、主導権を奪われたみたいでちょっと悔しくなる。
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