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下から聞こえる彼女の声は、太腿に負けず柔らかい。
「ねえ、三奈」そんな柔らかい声で、彼女は悪女のように囁くのだ。
「このままずっとこうしてたら、私は三奈に惚れちゃうのかな?」
「それは、どういうことだい?」
そう言ったつもりなのに、何故だか私の声は出ていなかった。多分、金魚みたいにパクパクしてたんだろう。というのもきっと、玲奈っちの喋り方が、とても冗談に聞こえなかったから。
「手、止めちゃだめよ」
糸で吊られたみたいに、私の手は玲奈っちの頭を撫でた。
「ふふ」と玲奈っちは笑った。私はと言うと怪しく笑う彼女を膝枕したまま、どうすることも出来なかった。
「いい子ね、三奈は」
その言葉がいつまでも、頭の中に残る。身体は玲奈っちの言う通りのままだった。
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