1:小さな出会い、大きな別れ

7/11
119人が本棚に入れています
本棚に追加
/74ページ
(“お空の上に行った”って、多分死んだってことだよな………“バイバイって言いたかった”っことは、両親の最後に立ち会えなかったってことか……) 何故か、自分よりも不運なことに直面している人を見ると、自分の事そっちのけで心配になる性分らしい、俺は。 「…なんか……頑張ったな……これからも頑張らなきゃならない事はあると思うけど、ここで踏ん張れたら、これから起こる事は大抵何とかなるぞ。」 思わず、そう言ってしまった。 (…十五年しか生きてない奴が何言ってんだか……) 「………うん!啓、頑張る!」 えへへと笑った笑顔はとても晴れやかで、自分に向けられていると思うと、無性に恥ずかしくなった。 「……そっか………えっと、名前は?」 「啓太!杉山 啓太!お兄ちゃんは?」 「…俺か? 俺は、清水 真翔。」 「じゃあ、まーちゃんだ!」 「……まー…ちゃん………?」 「うん! “真翔”だから、まーちゃん!」 (…こいつには俺が女っぽく見えるのだろうか……)
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!