1:小さな出会い、大きな別れ

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冬休みに入って、最初の金曜日。 その日も啓太君とベンチで話をしていた。 だが、その日はなんだか啓太君の様子が少しおかしかった。 なんだか、ソワソワしているような、悲しそうな……そんな感じがした。 「あのね、まーちゃん。僕ね、もうね、まーちゃんと会えないかもしれないの……」 お決まりの先週の金曜日からの一週間の報告の後に啓太君は、こう切り出してきた。 「………どうして?」 突然の事で、俺は驚きを隠せなかった。 なんだかんだで彼との時間は心地よくて、この関係を悪くないと思っていたからだ。 「あのね、僕のね、叔父さんっていう人がね、おひさま園に迎えにきたの。親戚の人達と決めたんだって。だからね、僕ね、遠くに行くの。」 (……親戚が話し合った結果、啓太君の叔父さんにあたる人が引き取ることになって、遠くに引っ越すってことか………) 引き取り手が見つかることは良い事なのだろうが、啓太君の表情をみるに、あまり喜んではいない様子だ。
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